上田の家
上田市街地、遠く浅間山を望む高台に建つ住居。平屋の正方形でともすれば抽象的な印象を受けるが建築を遠景、中景、近景で捉えると印象が大きくことなる。遠景においてこの建築は気付かれずに定着している、存在すら感じさせず同化する親和性を感じ、中景からはその厳格な構成と美しさからなんだか近寄り難さを感じ、植物に誘われ近景からは素材感、開口部の設え、統一された率直なディテールよりつい触れたくなるような親しみやすさを感じる。リビングの開口部には光を操作する障子と簾戸が設えてあり使い分けることができる。改めて空間とは光との関係性が生まれて初めて成立するような気がした。